「3Dバックスキャナー®」(ClassI医療機器)が、革新的で将来性のある新しい製品・技術、サービスを表彰する「世界発信コンペティション」の製品・技術部門において、特別賞を受賞しました。
3Dバックスキャナー®は、脊柱側弯症の学校健診などに用いられる医療機器であり、製造販売業者をJOMDDとし、日本臓器製薬株式会社が2020年2月から販売しています。同機器は、慶應義塾大学・名古屋工業大学発ベンチャーである株式会社スペースビジョンの3Dスキャナー技術を用いており、モアレ干渉縞と等価な等高線像(モアレ様画像*)を生成することにより背中のゆがみを可視化することができます。
脊柱側弯症は人種差や地域差がない疾患で、特に学童期・思春期に好発する特徴があり、14歳の女児の有病率は約2.5%¹と報告されています。側弯症は発見が遅れると進行し、手術によって治療する以外に方法がなくなる可能性がある他、当人や家族の生活や心にも悪影響を与えることがあります。このため、日本では学校保健安全法により学校での検診が義務付けられていますが、実施方法は地域により違いがあり、1次検診での側弯症発見率にもばらつきがあります。こうした背景から、2020年12月には、日本側彎症学会を含む4学会が共同で、日本全国で検査機器を用いた側弯症検診を実施するように、政府に要望書を提出しています。また世界でも取り組まれており、米国にて全米50州全てで側弯症学校検診が、中国においても2020年より学校での側弯症検診が開始されているなどの事例があります。
我々は側弯症の早期発見・早期治療が地域による格差なく行われることを目指しています。この想いのなか開発したこの医療機器が世界発信コンペティションで高く評価されたことを嬉しく思います。当該医療機器が世界発信コンペティション製品・技術部門特別賞 を受賞したことを受け、関係者一同、学校保健の現場における当該機器の普及に一層尽力して参ります。
(写真1:表彰式に参列した弊社事業開発シニアディレクターの野口(右から1番目))
(写真2:2021年11月24日の表彰式の様子)
(写真3:2021年11月24日の表彰式の様子)
■世界発信コンペティションについて
「世界発信コンペティション」は、中小企業の製品・技術、サービスの開発や販路開拓を促進し、その優れた製品やサービスを国内外に発信するため、「製品・技術(ベンチャー技術)部門」「サービス部門」の2つの部門で東京都が実施するコンペティションです。
■「3Dバックスキャナー®」について
販売名:3Dバックスキャナー
医療機器届出番号:13B1X10274000004
「3Dバックスキャナー®」は、LED光源を使用し、被検者背部を3次元(3D)撮影し、背部の対称性を視覚的に描出するために、モアレ様画像へ変換することができます。専用パソコン上にある撮影ボタンを押すだけで撮影ができ、取得した画像情報は撮影場所や個人IDと紐付けることもできます。取り込まれたデータは、2Dのモアレ様画像の他に、3Dの画像情報としても確認することができます。また、専用のキャリーケースに収納することで、学校健診現場で想定される持ち運びも可能です。
図1:3Dバックスキャナー®本体
*モアレとは、規則正しく分布した線や点などが重なり合ったときに生じる、縞やマダラの模様で、干渉縞とも呼ばれます。3Dバックスキャナー®によって作られるモアレ様画像は下図のような画像です。
図2:3DBSで撮影したモアレ様画像(健常人)
■製品のご注文や資料請求などの問い合わせ先
JOMDD(株式会社日本医療機器開発機構)
3Dバックスキャナ―問合せ専用窓口
3dbs_info@jomdd.com
■問い合わせ先■
JOMDD(株式会社日本医療機器開発機構)
TEL:03-6262-3322、FAX:03-6262-3022、MAIL:info@jomdd.com
広報担当:高畑
¹ Ueno et al. J Orthop Sci 2011