株式会社日本医療機器開発機構(本社:東京都中央区、代表取締役:内田 毅彦、以下JOMDD)、慶應イノベーション・イニシアティブ 1 号投資事業有限責任組合(本社:東京都港区、代表取締役社長:山岸 広太郎、以下慶應イノベーション・イニシアティブ)、およびイノベーション京都2016投資事業有限責任組合(本社:京都市左京区、代表取締役:室田浩司、以下KYOTO-iCAP1号ファンド)は共同で、株式会社Luxonus(本社:東京都港区、代表取締役:相磯 貞和、以下ルクソナス)へシードラウンドにおける出資を行いましたのでお知らせいたします。
ルクソナスは、独自の光超音波技術(PAI)を用いて、疾患の早期発見および病勢診断が可能な汎用撮影装置の実用化を目指す大学発ベンチャーです。国立研究開発法人科学技術振興機構による革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の「イノベーティブな可視化技術による新成長産業の創出」(2014年度~2018年度に実施、慶應義塾大学と京都大学が参加)などの研究成果を基盤とし、2018年に設立されました。
開発を進める光超音波3D撮影装置は、既存の撮影技術では早期診断や病勢診断が困難だった疾患(血管障害・リンパ浮腫・乳がん等)に対して、広範囲且つ超高解像度の撮影が可能となり、治療成績改善に繋がることを目指しています。今後は、量産機の開発に取り組み、2021年に研究機関向けの理化学機器として、2022年には医療機関向けの医療機器としての発売を目指します。
JOMDDでは今後も、大学や企業の医療機器等の開発・事業化を積極的に支援して参ります。
■光超音波技術(Photoacoustic Imaging: PAI)について
PAIとは生体にパルス光を照射した際に発生する超音波を特殊なセンサーで補足し、受け取ったデータをコンピュータ解析により画像化する技術です。PAIを用いた新規画像診断機器は既存の撮影技術である超音波、X線コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像(MRI)などと比較して、無被爆、無侵襲(造影剤を使用しない)で、血管やリンパ管といった脈管の超高解像度3D撮影が可能です。さらに血流の酸素飽和度等も可視化でき、術前計画や投薬効果検証への活用が期待されます。
■株式会社Luxonus(ルクソナス) 会社概要
キヤノン、京都大学、慶應義塾大学などと共に開発した技術を元に2018年12月に設立。京都大学と慶應義塾大学に光超音波3D撮影装置のプロトタイプ機を設置し、乳がん、リンパ浮腫、血管障害などの疾患を対象にこれまでに約250症例の臨床試験を実施している。
代表取締役: 相磯 貞和(慶應義塾大学名誉教授・芝浦工業大学特任教授)
所在地: 東京都港区虎ノ門五丁目3番21号
設立: 2018年12月
事業内容:光超音波技術を応用した画像撮影装置の製造・販売
■株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ(慶應KII) 会社概要
慶應義塾大学の研究成果を活用したベンチャー企業への投資を目的としたベンチャーファンドである、慶應イノベーション・イニシアティブ1号投資事業有限責任組合を運用している。
代表取締役社長:山岸 広太郎
本社:東京都港区
URL: https://www.keio-innovation.co.jp/
■京都大学イノベーションキャピタル株式会社(京都iCAP) 会社概要
京都大学に属する研究者による知(研究成果・技術等を含む)を事業化することを目的とする企業(共同研究企業からのカーブアウトを含む)へ、投資その他の支援を行うことを目的に、2014年12月に国立大学法人京都大学の100%出資子会社として設立された。京都iCAPを無限責任組合員とするKYOTO-iCAP1号ファンドを組成している。
代表取締役:室田 浩司
所在地:京都府京都市
URL: http://www.kyoto-unicap.co.jp/
■JOMDD(株式会社日本医療機器開発機構) 会社概要
日本のアカデミアやスタートアップ企業と連携し、医療機器製品等を事業化する国内初のインキュベーター。世界で多く利用される国産製品を育てるべく、複数の大学や日本医師会との連携の他、神奈川県や神戸市等の地方自治体の事業を受託するなど、全国の研究機関や企業との共同開発を実施している。これまでに疼痛治療用機器を開発している熊本発スタートアップ企業や、ロボット技術を利用してリハビリ機器等を開発している電気通信大学発スタートアップ企業等と協業している。
尚、JOMDDは学校法人慶應義塾大学と、医療機器の開発・事業化の支援に関して包括的業務提携契約を2016年に締結している。
代表取締役:内田 毅彦
所在地:東京都中央区