第67回日本胸部外科学会定期学術集会にて尾﨑重之教授(東邦大学医療センター大橋病院 心臓血管外科)が考案した大動脈弁再建術に関するランチョンセミナーを共催致しました。
本ランチョンセミナーは「大動脈弁疾患手術の最前線 -大動脈弁再建術(AVRec)とTissue engineering-」というタイトルで行われ、当日開催された他の7つのランチョンセミナーの中でも最初に完売し、最大200名の会場が満員となる程の注目度の中で開催されました。
セッションの座長は、心臓血管外科分野の第一人者である大阪大学心臓血管外科の澤 芳樹教授が務め、演者は尾﨑先生に加え、ミュンヘン大学からMazzitelli先生が講演されました。
尾﨑先生からは大動脈弁再建術が生まれた経緯を科学的な背景を踏まえてお話いただき、さらに、手術のポイントや最新の臨床データをご紹介いただきました。
Mazzitelli先生は、この大動脈弁再建術の将来的な広がりとして、豪州のAdmedus社の製品でウシ心膜を脱細胞したCaldioCel膜が使えるのではないかという内容を踏まえてお話されました。ウシ脱細胞膜は自己組織化が期待されることで、小児の手術後に心臓の成長とともに、弁も成長するというメリットがあり得ることが示されました。これにより尾﨑法は成人のみならず、小児にも適応範囲が広がり得ること。また、成人例でも心膜を取る必要がないため、小切開の低侵襲手術が可能となる可能性も示唆されました。
なお、本ランチョンセミナーは、サイザーセット(大動脈弁再建術(AVRec)に使用する医療機器セット(OZAKI VRec サイザー™/OZAKI VRecS™))の国内事業を担当するUSCI ジャパン社とCaldioCel ™の製造販売元であるAdmedus社との共催で開催されました。
日本医療機器開発機構では、大動脈弁再建術(AVRec)のさらなる知名度の向上及び導入医療機関数の増加を実現することで、大動脈弁再建術(AVRec)を大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症に関する治療法のデファクトスタンダードとすべく、活動を続けてまいります。